新たな価値を創出するDX人材とDXの進め方
日本の強みと弱み、DXの遅れが競争力の低下に
IMD(ビジネススクール・国際経営開発研究所)が、毎年発行している国家の競争力のランキング「世界競争力年鑑2023」で日本の競争力は「過去最低」の世界35位、アジア太平洋地域でも14位中11位という結果でした。日本の競争力低下の原因は「ビジネスの効率性の低下」と「アジア諸国の台頭」と分析されており、特に「ビジネスの効率性の低下」についてはDXの遅れや変化への対応の弱さを指摘されています。
また、11月30日に発表された「世界デジタル競争力ランキング2023」でも2017年の調査開始以来最低の32位となりました。「企業の俊敏性」、「ビッグデータとアナリティクスの活用」の低迷から、DXの遅れや変化への対応の弱さに対して危機感を感じます。
一方、2022年の国際特許数は3位と、日本の強みとして技術力の高さが見て取れます。
これまでの専門性に加え、リスキリングで価値を創出するπ型のDX人材を目指す
2020年頃から”π型”人材の必要性、重要性の記事を目にするようになりました。
多様化する社会、複雑化する課題を解決するには、一つの専門分野にとどまらず、専門分野を飛び越え、さまざまな知識を融合した、イノベーティブな解決が必要となっています。
さらに、社会はますますデータ化、デジタル化が進行し、DE(デジタルエボリューション)やDXが求められています。すべての社員が新しい視点を持ち、新たな発想をするために、一人ひとりが変化を“自分事化”してとらえリスキリングに取組み、これまでの専門分野に加え、データやデジタル等異なる分野の知識とスキルを身につけたDX人材に成長することが求めらています。
DE(デジタルエボリューション):現業、一連の事業活動をデジタル技術で効率化したり、高度化したりすること
高い現場力に働きかけ、私たち事/自分事化し、DEからDXへ展開する
DXが登場して久しく、多くの書籍やWebでDXに必要なこととして、以下のようなことが挙げられています。
- 経営方針・事業戦略
- 方針・戦略と連動した人材育成戦略
- 人事評価制度の変更(DXに関連するキャリアパス)
- 組織文化の変更
実際には組織文化の変更は容易ではなく、また、社員は現業に忙しく取り組んでいるため、DX推進を対岸の火事のように捉え、DXがなかなか進まないのが実態かもしれません。
そのため私たちは、組織・社員が、私たち事化、自分事化して取り組むことが重要と考えます。
さらに、企業は現業に誇りを持ち、これまでもプロセス改善や品質改善など高い現場力により、事業を成長させてきたことと思います。
そのため、ビジネス変革を進めるためには、一足飛びにDXに取り組むのではなく、まずはDEを進め、DEによる価値の創出を図るのがよいと考えます。
デジタル化やデータ活用を学び、現場を変革し、その効果を実感することで、次なる現場改善や課題解決に繋がり、組織が成長します。
これにより、現場での成果が学びの姿勢を醸成させ、そして成功と失敗の体験の積み重ねが活用の発想を広げ、やがてDXへと展開・発展していきます。
芝大門塾は、DEとDXに必要とされる「人材とスキル定義、研修マップ」の制作支援に加え、私たち事化・自分事化するためのワークショップでDEとDXの促進を支援します。
さらに、自社の現業を熟知している現場に近い役職者が、ワークショップで部下の私たち事化、自分事化を進めるのが効果的と考え、役職者のファシリテーターの育成も実施しています。
学びを「やらされ感」から「喜び」に
DEやDXを推進し新たな価値を創出するためには、現業の知識やスキルの更なる習得のほかに、新しい学びも必要です。パンデミックを経て、学び(企業研修)のあり方も大きく変わりました。これまでは、選ばれた人材が業務に必要な知識やスキルを身につけるための教育が中心に行われてきました。しかし、人的資本経営の戦略・オンライン時代の本格的な到来により、たくさんのコンテンツや学習方法から、いつでもどこでも誰もが気軽に学べる機会が提供できるようになりました。まずは興味のある分野から受講し、学びの楽しさに気づく方も少なくありません。学び合い、高め合う組織風土が醸成され、一人での学習継続の難しさをグループで乗り越えている事例もあります。
「成人発達理論」によると、人は生涯にわたって成長し続けます。年齢に関係なく、自分の得意なことを見つけ、学び、それを仕事に活かし、自ら成長する喜びを感じることは、人生をより豊かなものにしてくれるでしょう。「やらされ感」からでなく、自ら学びたくなる場の提供が、研修を提供する私たちのこれからの使命の一つと感じています。
プログラムと活用事例
DEやDX推進には、業務知識やIT分野に関する基礎知識に加えて、組織全体に働きかけ周囲を巻き込む力、ビジネスを企画推進する力、AI・IoTなどのデジタル技術など、幅広いスキルが必要となります。
芝大門塾では、目的に合わせたプログラムやアセスメントをご用意しています。定期開催講座をはじめ、個社(事業)の課題や目的に合わせてオーダー研修も承ります。
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